経営方針

  1. 1.経営環境
    当社グループは、超純水製造装置の設計・施工・販売とそのメンテナンス及び消耗品の販売を主たる業務としており、その対象は半導体・FPD(フラットパネルディスプレイ)をはじめとする電子部品関連、医薬品、化学・化学薬品、食品等多岐にわたっております。その中でも、最も高い純度の水処理が要求される分野を主要な事業ターゲットとしており、特に半導体分野において世界を牽引する企業との取引関係が重要な事業基盤となっております。
  2. 2.経営戦略及び目標とする経営指標
    当社グループは、アジアにおける半導体・FPD・製薬工場向け純水・超純水装置のプロミネントカンパニーを目指すことを中長期的な目標に掲げており、この目標を達成するために、国内・韓国・中国・台湾を中心とするアジアでの競争力強化と受注拡大に注力してまいります。迅速かつきめ細かな対応による差別化を図り、環境等に対するニーズを的確に捉え、
    • (1)国内:半導体・製薬関連装置の積極的受注及びメンテナンス拡大による安定収入の確保
    • (2)韓国:半導体・FPD市場でのトップシェアを堅持
    • (3)中国台湾:採算性に配慮し、半導体関連企業を中心に現地企業との協業による受注に注力
    • (4)製薬業界へのUF膜法による注射用水製造装置の提案・受注強化
    • (5)コストダウン、経費削減の取り組み継続
    に取り組み、事業展開を図ってまいります。
    また、当社グループは収益性を示す連結売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付け、当該指標の継続的な向上により企業価値増大を図ってまいります。2020年3月期における連結売上高営業利益率は8.8%となっておりますが、コスト低減、経費削減とともに新規市場開拓、周辺事業拡大及び高付加価値商品の拡販等による更なる向上を目指してまいります。
  3. 3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
    当社グループを取り巻く経営環境を展望すると、主力製品である超純水製造装置は、国内では製薬・半導体関連企業の堅調な投資が見込まれ、海外では韓国・中国・台湾を中心に半導体・FPD関連企業の工場新設が継続する見通しですが、採算については受注競争の激化により大型装置の採算性低下が避けられない状況となっております。
    このような経営環境の下、当社グループは水処理の研究開発及び技術力の向上に積極的に取り組むことにより、半導体・FPDを中心とする世界の最先端産業の発展・向上に貢献するとともに、超純水分野で培った技術をベースに近年ニーズが高まっている環境関連分野を強化すること、並びに超純水技術を製薬向け注射用水・精製水製造装置などに応用し、健康支援の一端に寄与することで、中期経営目標の達成に向けた経営活動をグループ一丸となって推進しております。
    これを実現させるための当社グループの課題としましては、①営業力の強化、②受注採算の改善及び為替リスクの回避、③継続的な研究開発による他社との差別化及び新商品の市場投入、④優秀な人材の確保と育成、⑤一般水処理事業への事業領域拡大が重要な経営課題と認識しております。
    なお、新型コロナウイルス感染症拡大と長期化により、景気の先行きは予断を許さない状況となっております。当社グループといたしましては、進行中の案件に関しては感染症拡大に最大限の注意を払いながら工事を続行する等、現時点で中断や延期等の情報は無く、大きな影響は見られておりません。しかしながら、先行き不透明な状況でもあることから、今後の事業環境の推移を注視し、開示すべき事象が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。