戦略
(TCFD)

戦略

当社は、国際エネルギー機関(IEA)のSTEPS(公表政策シナリオ)・SDS(持続可能な開発シナリオ)や国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6(2℃シナリオ)・RCP8.5(4℃シナリオ)などに基づき、2030年および2050年における当社の事業遂行上のリスクと機会ならびに財務的な影響の分析・評価を行うとともに、以下のとおり気候変動への対応策の検討を実施しました。

【気候変動に起因するリスクと機会】

:財務的影響度が大きいと想定される    :財務的影響度が非常に大きいと想定される

想定されるリスク 事業への影響 影響度
気候変動への対応策

移行リスク

政策 / 規制

  • ■炭素税の導入や増加
  • ■温室効果ガスの排出抑制に関する規制強化
  • ◆ 気候変動に影響を与える化学製品調達の困難にる調達コストの増加および当社製品の長納期化
  • ● 重要部材の先行手配及び適正在庫の確保
  • ● 規格化(標準化)による主要部材の集約化
  • ● 純水システム基本構成のフレキシビリティ化
  • ■企業に対する省エネルギー対応の要請・強化
  • ◆ 当社製品にエネルギー効率の高い部材を使用することによる製造コストの増加
  • ◆ 省エネルギー対応部材の調達コストの増加および当社製品の長納期化
  • ● 競争購買によるコスト抑制
  • ● 調達先の多様化
  • ● 経済合理性の観点からの適正な販売価格の設定
  • 技術 / 市場

  • ■既存製品/サービスの低炭素オプションへの置換
  • ■環境意識の高い企業の増加による消費行動の変化
  • ◆ 低炭素型製品への置き換わりによる従来型製品の売上の減少
  • ● 低炭素型製品の開発への積極投資
  • ● 低炭素貢献技術の開発推進
  •   ・ 熱回収技術/水回収技術の開発
  •   ・ 省エネルギー/省ケミカルの取組み
  •   ・ 主要顧客の環境ポリシーを先行指標とした技術開発
  • ● 既存技術の再検討
  • ● 4R視点による製品設計・製品開発の推進(耐久性向上、省資源化、原材料の効率化等)
  • ● 使用済み部材再生のための設備投資(部材再利用の促進)
  • 物理リスク

    急性

  • ■気候変動に起因するサイクロンや洪水など自然災害の頻発化・激甚化
  • ◆ 当社の資産に対する物理的損害による事業活動の停止ならびに売上の減少・コストの増加
  • ◆ サプライチェーンの寸断によるビジネス機会の喪失
  • ● 自然災害に備えた事業継続計画の精緻化と事業継続体制の強化
  • ● 自然災害に起因するリスクの分散化
  • ● サプライチェーンの強靭化
  • 機会

    製品 / リスク

  • ■R&Dとイノベーションを通じた低炭素型製品/サービスの開発、それらに伴う販売の拡大
  • ◆ 既存の環境貢献型製品の売上増大
  • ◆ 新たな低炭素型製品/高効率製品の開発による更なる販売機会の拡大
  • ● 超ろ過装置の積極提案と販売促進
  • ● ノンケミカル超純水システムのエネルギー効率の向上による競争力強化
  • ● 低炭素型製品の開発への積極投資
  • ● 低炭素貢献技術の開発推進
  • 当社は、シナリオ分析において、「既存製品/サービスの低炭素オプションへの置換」、「環境意識の高い企業の増加による消費行動の変化」に起因する従来型製品の売上の減少(リスク)による財務的な影響度が非常に大きくなるものと評価した結果、当社が製造する水処理装置を通して温室効果ガスの排出を抑制し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが最重要課題であるとの認識に至りました。また、この最重要課題に適切に対応することが機会である「R&Dとイノベーションを通じた低炭素型製品/サービスの開発、それらに伴う販売の拡大」にも繋がるものと考え、対応策の一部については、当社中期経営計画(HiPES-2023)における営業戦略に反映しております。

    なお、シナリオ分析においては、以下の表に示す政府機関および研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価および財務影響の分析を実施しております。

    • ■ IEA 『World Energy Outlook 2020』(2020年)
    • ・ STEPS(公表政策シナリオ) / ・ SDS(持続可能な開発シナリオ)
    • ■ IPCC 『AR5』
    • ・ RCP2.6(2℃シナリオ) / ・ RCP8.5(4℃シナリオ)
    • ■ 厚生労働省 『医薬品・医療機器産業実態調査』(2019年)
    • ■ 一般社団法人 日本半導体製造装置協会 『半導体・FPD製造装置需要予測』(2021年)
    • ■ 中小企業庁 『中小企業白書』(2019年版)